安芸高田市にある“小規模多機能型居宅介護”というやさしい仕組み
母からの電話はいつも「元気にしとるよ」で始まります。でも、その声の奥にある少しの疲れや、間を置いた返事に、年齢を感じるようになりました。安芸高田市の実家に帰るたびに、ちょっとした変化に気づいてしまう。冷蔵庫の中に、手つかずの食材が残っていたり、洗濯物がそのままだったり。
「そろそろ、なにか手を打たなきゃな」と思っていたときに知ったのが、“小規模多機能型居宅介護”という言葉でした。
安芸高田市の小規模多機能型居宅介護は、親の暮らしを支える味方だった
最初は、「名前が長くて、何がどう多機能なの?」というのが正直な感想でした。でも調べていくうちに、その仕組みが驚くほどやさしくて柔軟だとわかりました。
通い・訪問・泊まり――すべてが一か所の事業所で完結する。しかも、顔なじみのスタッフが関わってくれる。これって、実家で暮らす親にとって、すごく安心できる環境なんじゃないかと思いました。
デイサービスに通っているかと思えば、必要な日は泊まることもできる。家に来てくれることもある。「介護サービスを組み合わせる」って、すごく難しそうに思えていたけど、この形なら“暮らしに寄り添う”という言葉がしっくりきます。
「もう家で暮らすのは無理」と言う前に、こういう道があると知っておきたい
遠方に住んでいる僕にとって、親の在宅介護はいつも“心配の塊”でした。けれど、小規模多機能という仕組みがあることで、家族だけじゃなく、地域全体で見守ってくれているような感覚を持てたんです。
安芸高田市のように、自然と人の距離が近い町だからこそ、こうした介護のスタイルがうまく機能するのかもしれません。利用者もその家族も、“住み慣れた町で、できる限り長く暮らしていく”。それを支えるのが、こういう形なんだと納得しました。
「ありがとう」を言い合える暮らしを、できるだけ長く続けたいから
電話の最後に、母がぽつりと「ちょっと、最近もの忘れがね…」と話してくれました。その声は、不安というより、受け入れのような穏やかさを感じさせて。僕はその時、「じゃあ今度、一緒に話を聞きに行こうか」と自然に言葉が出ていました。
安芸高田市には小規模多機能型居宅介護という仕組みがあること、それを自分たちが知っていること。それだけでも、暮らしは少し前向きになれる気がします。
安芸高田市で過ごす母の時間が、安心とやさしさに包まれたものでありますように。そんな願いを込めて、今、少しずつ動き始めています。
